借入金の返済資金について

ここ最近企業の設備投資が増えているようです。そして銀行は今、融資先を探している状況です。事業を拡大するときには資金が必要となり、資産の購入や運転資金の調達のために借入をすることは良くあります。

借入には大きく分けて2種類に分けられます。前者は資産の購入のため、後者は運転資金のためです。このふたつの借入は返済資金の考え方に大きな違いがあります。借入をする場合にはこのふたつの違いを考えてから借入期間や借入金額を決める必要があります。

まずは資産の購入による借入の場合は、返済資金の調達方法は損益計算書上で考えます。
損益計算書は売上から売上原価と経費を引いた金額が利益になり、基本的にはその利益に税金がかかってくることになります。
今資産を購入した場合には一般的にその資産は1年を超える耐用年数の間に減価償却をしてその金額は売上原価または経費に含まれます。その金額の合計は資産の金額とほとんど同じになるはずで毎年の減価償却の金額を返済すれば借入金すべてになるはずです。つまり税金がかかる利益の中にはその返済金は入ってこないはずです。

この場合にポイントは減価償却金額を経費に入れた場合でもこの設備投資をしてちゃんと利益が出るかどうか見極めることと、そして返済期間は耐用年数の期間ですますことです。

後者の運転資金のために借りる場合は、一般的に売掛金の回収に比べて買掛金が先行していて今のお金が足りない時です。返済資金の調達方法は貸借対照表上で考えます。

この場合には売掛金が回収されたときにすぐに返すことが重要です。言い換えれば回収した売掛金や未収入金ですぐに返済することが出来ない借入金はすべきではありません。この借入金を長期にわたって返済することとなると、損益計算書上の利益の金額から返済することになります。そしてこの利益の金額は当然税金がかかってくるので、この利益の4割強は返済に充てることは出来ません。下手をすると返済するために借入をしなければならないというスパイラルに陥ります。

このように、同じ借入でも返済資金の考え方に大きな違いがありますので、上手に融資を受けて会社を発展させていきましょう!!

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